2009年6月22日月曜日

Do No Harm

メアリー・アンダーソンのDo No Harmを読んだ。

最初の紛争の原因についてのチャプターは少しまどろっこしい感じがしたが、第4章あたりから、さまざまな例を用いて援助と紛争の関係の議論が深まり、かつ、具体的な対応策についても述べているのには感心。

援助が紛争にどう関係するかいくつかのシナリオを挙げている:


  • 食糧が紛争従事者に盗まれて、武器などを買う資金に賄われる
  • 援助が戦争経済や平和経済を補強するように市場に影響を及ぼす
  • 援助の受益者が誰かということが、紛争に関係するグループの間の関係を悪化させるなどの影響を及ぼす
  • 現地の文民が必要とするリソースを代替するとこによって、紛争を支援するリソースを解放する
とえば最初の援助物資がDivertされた時にそれを市場で売りさばくのを難しくさせる方策として

  • 毛布を二つに切る:もし受益者の家族が二つに切られた毛布を貰っても、縫い合わせて使うという手間は惜しまないが、マーケットで売ろうと思うと、毛布の価値が下がるので、ネガティブ・インセンティブとして働く
  • 食糧の袋に穴をあけたり、料理用油の缶の蓋を開けておく:これも受益者ならば、家に持って帰るときに、穴を指でふさいだり、注意して運べばいいわけだが、大量の食糧と油をトラックで運ぶのはかなり困難

などの例を挙げている。

私の今まで働いたのは、紛争が終わってしばらくたっている国だったため、あまり紛争地域での人道支援について理解がなかったが、今の仕事ではそういった国を担当するため、もっと勉強が必要だ。開発援助は奥が深い。

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